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はがき伝道 2018年8月23日
はがき伝道 358号 「危機管理」
はがき伝道 平成30年8月 358号 真福寺
「落語家の危機管理」と題して
立川談四楼が平成30年6月11日付日経文化面で
こんなことを語っている。
落語家には
前座、二つ目、真打の三つである。
二つ目、真打の全員が結構ハードな
前座修行を経験して
精進するのだそうである。
前座の時代を立川談志は
「修業とは理不尽に耐えることなんだ」
と言っていたそうです。
ベテランは異口同音に
「真打になった時より
二つ目になった時の方が
嬉しかった」と。
落語家の危機管理のルールは、
兄弟子、先輩が言われることは
「いいかい、すぐに謝るんだよ」
「言い訳は御法度だよ」
とにかく謝罪が先なんだ。
謝ると『次は気をつけな』となる。
私も寺で小僧をしたことがあります。
寺に入ると兄弟子や、
修行から帰ったばかりの
バリバリの雲水の先輩さんがいました。
入ったその日から
日点、掃除、朝課、食事
なにからなにまで知らぬことばかりでした。
何をやっても怒鳴られ
「バカ、マヌケ、よくそれで大学に入ったな」でした。
頭にくることばかりでした。
そんな時に、
修行から帰ってきた先輩が
私に教えてくれた言葉は
「ここはな、
白い物を師匠が黒と言ったら、
理屈無しで黒だと言うことを覚えろ。
それが小僧のルールだ。
先輩が何を言っても『ハイ』と言え。
口より先に体を動かせ」でした。
改めて思い出しました。
あの小僧生活があったお陰で
今の私が無事に
生きているのだなぁと思った。
「まさに小僧修行時代の危機管理」でした。
厳としたルールを守っている組織が
長期的に繁栄し、存在する。
それが組織に伝承されたルールであり、
良き伝統ということになる。
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