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はがき伝道 2020年6月2日
はがき伝道 379号 「かあちゃん」
はがき伝道 令和2年 5月 379号 真福寺
『かあちゃん』
「かあちゃん」は平成26年4月14日旅立った。
今年はコロナ伝染病の真っ只中での七回忌である。
何かにつけて、かあちゃんを思い出す。
“囲碁のオフ会”の“アマリンさん”から
命じ日お花を頂いた。
お礼が遅れて電話した。
その時、“かあちゃんのことは忘れませんよ”と言われた。
昨年12月、96歳で父が旅立った。
私の目の前から妻や父が消えていって
はじめて気づく思いがある。
妻や父に限らず、
多くの人達のご縁と絆で
生かされて、
今ここにいることを実感している。
やり返しのきかない人生と思っていても、
失ってはじめてわかる実感である。
人は皆、人に言えない悲しみや
歓びを抱えて生きている。
夫婦の呼び合いも「田中くん」から
「あなた」となり、「とうさん」、
時には「和尚さん」と呼び。
私は、出会った頃は坂口と呼び、
「田中」の姓に変わり、
「美世子」、「かあさん」「かあちゃん」になった。
今七回忌を迎えて、
思うことは時に喧嘩をし、
時に仲直りして
いつしか50年近い夫婦生活をして、
今の風景を作り出してきたのだということを思う。
安岡正篤先生は
「人に大切なものは
知識よりも、才能よりも、
何よりも、真剣味であり、
純潔な情熱である」
と言っている。
かあちゃんはそんな一生を
生きた女性であったと思う。
「語らざれば憂いなきに似たり」
という言葉が似合う、
「かあちゃん」はそんな妻でした。
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