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はがき伝道 2021年7月29日
はがき伝道 394号 種を蒔く
はがき伝道 令和3年 8月 394号 真福寺
「蒔(ま)かぬ種は生えぬ」
私の父は「蒔かぬ種は生えぬ」が口癖だった。
小さい時にしつこいくらい語る父を見ては、
幼心に父ちゃんは
当たり前のことをよく言っているなと
思っていたものです。
70歳を過ぎて、
改めて思うと、
まことにすごいことを言っていたなと思う。
内に向かって、
心に種を蒔かねば、
その平安の芽は生えぬ。
外に向かっては
生活のため、
生きるための方策として、
種を蒔かねば、
困窮してしまう。
平常心を保つためには、
いつも内外に
その人にあった、
その人だけの種を蒔かねば、
その人の心身ともに
成長する芽は
生えぬのである。
不断の努力という種を蒔く。
その人その人にあった
生きた実感を体感できる
幸福と平安を醸し出す芽が芽吹く。
日々の慈愛の水をかけてやる。
無理・絶望と思う雑草を抜いてやる、
除草することで、
幸せと希望の種はすくすくと
成長すると思うのであります。
「ただいま」と言って帰る家があり、
「おかえりなさい」と言って迎えてくれる
家族の団欒(だんらん)が人生の幸せだと思う。
それも一つの帰家隠坐(きけおんざ)である。
父去りて、
気づく父の遺言かもしれない。
早よ気づけ、
人生は短いぞ、
生きているうちに気づき、
今からでも遅くない。
お前の種を蒔かねば、
いつになっても
芽は生えぬぞと
語りかけている。
そんな気持ちになった今日この頃です。
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